紀伊半島チャリ旅日記

2004 5/15(土) 曇り

昨日は古河のアップスだったのでどんなに急いで帰っても帰宅は午前3時になる。
終電は間に合わないので慶太に運転手をしてもらい帰宅。 無理に起きて早く沼津に着いて、千本プラザでお風呂にはいってゆっくりし、次の日からの旅立ちに備えようと思ったのだが、結局起きたのはお昼の12時。
なんだかんだで14:27赤羽発の湘南新宿ライン大船行きに乗った。 大船の一つ手前の戸塚で東海道線に乗り換えるべきであった。大船では線路を挟んだ別のホームに東海道線が着く。 輪行袋を担いでの階段昇り降りはなるべく避けたいものだ。
沼津に到着後、因縁の千本浜公園の同じ場所にテントを張る。 懐かしい、というよりはお馴染みの場所、という感じだ。
テントをはってすぐ沼津公へ直行!!港の飲食店街の入り口近くの「かもめ丸」というお店に行ったのだが、かなり当たりのお店でした。 釜揚げシラスから始まり、鰯の刺身、マグロの心臓とエラの串焼き、カサゴの煮つけ、桜海老のかき揚げ、地魚の握りずしを食べた。 地酒の「沼津港」もまあまあ飲める酒でした。

川口〜沼津 走行距離約10km

就寝時間不明

 

5/16(日) 雨のち曇り 9時頃起床。

前日、就寝時間不明と書いてあるが、実は2時ぐらいに目が覚めて寝酒を買いに近所のコンビニまでいったのだ。 ワインのハーフボトルを購入して何と小1時間で空けてしまった・・・。 お陰で朝から気持ち悪い。
起きた時から結構な雨でもあり、出発する気0%・・・。 前日に作っておいたおにぎりを食べるも食欲無し。 雨もやむ気配がないので千本プラザの開館を待って朝風呂する事にした。
風呂から上がると二日酔いも覚め、雨も小降りになっていたので14時頃ようやく遅い出発。
海岸沿いを進むも海からの物凄い横風にあおられながらバランスを崩しながら漕ぐ。 天気は時々晴れ間すら見える。ラッキー!!
3、40キロ先(に思えた)の三保の松原あたりを目差し漕ぐ。 地図の読み違えで清水から三保まで意外に距離があり、三保までの間に日が暮れる。
三保の適当な公園でテントを張る。

沼津〜三保 走行距離約50km

朝 梅おにぎり
昼 コンビニ弁当、レーズンパン
夜 豚焼肉、サラダ菜、にんにく味噌

就寝時間不明

雨上がりの富士川。富士山は全く見えませんでしたが、山々がお風呂上がりみたいに湯気が上がって神秘的でしたよ。

 

5/17(月) 曇り時々雨

この日もなんやかんやで出発は午後、海岸沿いを行くも物凄い向い風にやられ、10キロ漕ぐのに1時間もかかる有り様。
途中から防砂林の中の林道を行くと、向い風は半減。えらいものですね。 途中から少しぱらぱらと雨が降るも林道の中ではその影響も少ない。
この日は東海道中に箱根を除く唯一の峠、といってもプチ峠だが、大崩海岸を行く。 久々の上りに懐かしい感触を感じながらしかしこれだけ??という程度の峠道であった。
焼津を通り過ぎたのだが、何故か焼津の国道沿いに阪神タイガースバリバリのショップがあった。 そういえば昔チャリで上京した時にも見かけたような・・・。 それにしても何故に焼津に・・・???
計画では御前崎に到着すべき所でしたが、本日は大井川町の児童公園に宿泊。

三保〜大井川町 走行距離約40km

朝 無し
昼 梅おにぎり、にんにく味噌
夜 水餃子、キューリのQチャン、にんにく味噌

就寝 10時頃

大崩海岸から静岡市の方を望む。

 

5/18(火) 晴れのち曇りのち雨のち晴れ

6時起床。ようやくチャリ旅らしい起床時間になる。
この日もどえらい向い風にやられながら前進する。 向い風に筋力で立ち向かおうとしてもダメ。僕はアスリートではなく単なる旅人。んな事したら一発で膝をやられます。 低〜いギアで、そろそろとゆっくり漕ぐのが正解。 速度は12キロから15キロ出せたら良い方。急がば回れです。膝を壊したらなんともなりません。
それでもなんとか午前中に御前崎到着。御前崎からは進行方向がほぼ90度変わるので向い風もおさまるかと期待。
灯台に登り、マリンプラザという大規模な魚市場があるというので行ってみると何と火曜定休・・・。 今回の旅は定休日にやられる旅でもあった・・・。
御前崎を出発すると何と風向きが変わり、またもやバリバリの向い風に・・・。前世で何か悪い事をしたのかもしれないな・・・。
大平洋自転車道という道が静岡の海岸線をずーっと走っている。その道を行くのだが、このあたりから遠州大砂丘という砂浜沿いの道が始まり、海岸線の自転車道にまで砂が上がっており、こげない部分が多い。 又、予告無く道が途切れ、国道に戻され、又予告なく自転車道が始まる。
自転車道は楽しいが、表示の不親切さから時間がかかって仕方がない。もうちょっと整備等して欲しいものだ。
この日は天竜川沿いの町、竜洋町まで行く。 竜洋町のオートキャンプ場に宿泊、オートキャンプ場とはまるでホテルの様、乾燥機まであったので全ての洗濯物をぶち込んだ。

大井川町〜竜洋町 約90km

朝 前の日の残りの水餃子、梅おにぎり
昼 マカロニミートソース、マヨネーズ
夜 すき焼き(キャベツ、えのき、豚、牛)

就寝 10時頃

晩飯のすき焼き。こうして見るとまずそうだが旅の時は美味しいものです。

 

5/19(水) 晴れのち曇りのち雨

7時起床。朝御飯を昨日の残りの、というかあえて残したすき焼きと梅おにぎり、と思っていたのだが、食料を炊事場においたままにしておいた所、何と全部カラスにやられていた・・・。 ホテルの様に快適なオートキャンプ場ではあるが、とはいえ野外である事を思い知らされる。
気を取り直し朝食をコンビニでとる。 浜松手前までずーっと海岸沿いに自転車道があるのだが砂利道で漕ぐのが非常に疲れる。
今回の旅から又タイヤを履き替え、以前までの幅1.9インチのべたゴムのスリックタイヤから 1.75の固めのゴムのスリックタイヤに履き替えたので、オンロードは更にスピードアップなのだが、オフロードには更に弱くなったのだ。 もし世界一周に出る時にはオフロードのタイヤで行こう。恐らく世界の道は舗装路よりオフロードの方が多いだろうから。
午前中に静岡県から出て、お昼ごはんを愛知県で取る事を目標に走る。
渥美半島も自転車道が完備している、はずなのだがどうしても自転車道を捕まえる事が出来ない。 結局、伊良湖まで10キロを切ったところでまで来て自転車道を捕まえる事が出来た。 その道がまたなんとも言えないいい道だった・・・。
伊良湖に着くあたりから雨が本格化し、伊勢湾フェリー乗り場前の広場にテントを張るのだが、元々水はけの悪い所だったのもあり、又、旅の前にテントの手入れをしていかなかった事もあり、テントの床から雨がしみ込んで来て殆ど水たまり状態になり、又天井からも雨漏りが始まった。 床にゴミ袋を敷き、雨漏りは気にしない事にする。
ところで伊良湖は、僕のソロアルバムに収録した椰子の実に関係のある土地で、若き日の柳田国男が伊良湖の浜で椰子の実を拾い、その話を友人である島崎藤村に話したところから、藤村の「椰子の実」の詩が生まれたのだそうだ。 しかし、雨のせいで記念碑とやらにも訪れることができなかった。

竜洋町〜伊良湖岬 約90km

朝 コンビニ弁当
昼 マカロニミートソース、グリーンピース、おろしにんにく、マヨネーズ
夜 ごはん(なめたけ、岩海苔等で食べる)味噌汁

就寝 9時頃

雨の日の自転車道の様子。

 

5/20(木) 雨 7:30起床。

季節外れの台風がもっとも近付くのが今夜半であるとの事で、この日一日はお休みという事にし、しかもスケジュール調整の為、鳥羽〜熊野間を輪行する事にし、熊野で宿を取る事にした。
ある程度長期のサイクリングになるとやはり疲労も蓄積するしオフも必要である。 ここまで向い風と悪天候にずーっと苛まれここらで休みを取るのもいいタイミングだった。
伊良湖から伊勢湾フェリーで鳥羽に渡り、鳥羽からJR参宮線で多気までいき、紀勢線で特急に乗り熊野に1時頃到着。 観光案内所でみはらし亭という旅館を紹介される。とても良い旅館だった。
しかしここでも定休日の壁にぶつかる。うまいものを食べに行こうと、宿の人に店を紹介してもらうのだが、大抵の店が木曜定休なのだ・・・。
なんとか探してもらい、木曜あいている「海鮮」というお店に行ったのだがそこの料理はとても良かった。 魚の鮮度はいいのは当たり前だが、大将の腕が素晴らしかった。 そして安い!! 東京なら5000円はする注文をしたつもりだったが、その2/3ぐらいの値段でおさまった。

伊良湖岬〜熊野 約3km

朝 フェリー乗り場の喫茶店のモーニング
昼 電車で食べたサンマ寿司
夜 「海鮮」

就寝 12時頃

熊野の海岸の獅子岩。獅子が海に向かって吠えているように見える。

 

5/21(金) 晴れ 7:00起床。

台風一過の快晴。今回の旅で始めてのすかっとした天気で、熊野の海岸線を漕ぐ。 本当に美しい海でした。 午前中半日だけジャージの上を着ずに半そでだけで走ったのだが、それだけでやばいぐらい腕を日焼けし、慌ててジャージを羽織る。
新宮では新宮蘭沢浮島植物群落という所を訪れた。沼に島があるのだが、何でもその島は沼に浮いているのだそうだ。結構な大木が生えているような島で、とても浮いているとは思えない。 その昔は風が吹いたらふらふらと島が移動したそうだが、今では沼が埋め立てられ半分ぐらいのサイズになっているので動く事はないそうだ。
午後には那智の滝を訪れる。滝まで8キロ程の軽い上りを上り、辿り着いた滝は落差日本一、100m以上の落差の滝で、前日までの雨天のお陰で水量もましており大変立派だった。
この日は古座の田原という所の海岸まで漕いだ。国民宿舎の前の海岸で、国民宿舎のお風呂に入った。 日焼けが滲みた。

熊野〜古座 約75km

朝 旅館の朝食(お櫃に2杯の米を食らう・・・。)
昼 マカロニミートソース、グリーンピース
夜 豚焼肉、キャベツ、にんにく味噌

就寝 10時頃

新宮蘭沢浮島植物群落の中。こんな所は普通の旅行では訪れないだろう。

 

5/21(土) 曇り時々雨 6:30起床。

本州最南端の潮岬を訪れる。何故か売店にゆずソフトクリームが売っており、食べる。まあまあの味だった。 潮岬灯台に登るが、幾つか登った灯台の中でもっとも中が綺麗な灯台だった。
不思議なのだが、灯台の入場料は大体が大人200円前後、子供10円から20円と、大人と子供の価格に大幅な差があるのだが何故だろう??御前崎灯台もそうだった。
これで一応本州最北端と最南端を押さえた事になる。 一応、サイクリストが目差すのは本州なら潮岬と最北端の大間崎、足摺岬や佐田岬、佐多岬、何といっても日本最北端の宗谷岬であろう。
串本を越えたあたりから伊豆半島程ではないが、ああいう海岸線特有のアップダウンの連続の道が続く。 地図で見ると、この感じはどうやら白浜までは続きそうな感じである。
我が敬愛するサイクリストののぐちやすおさんは、こういうアップダウンの続く道を自著の中で洗濯板と表現されている。なるほど、言い得て妙だ。
雨がひどくなってきたので、行く予定ではなかった串本海中公園を訪れる。 まあ、なんというか、普通の水族館だ。僕が今まで見た中でもっともしょーむなかった水族館は何といっても賢島水族館だ。 下手したら魚屋レベルだ。
串本を越えたあたりのすさみ町の公園で休憩するつもりが、そこで宿泊する事に。 またもや国民宿舎の前だったので、お風呂を使いにいった。 その先で拉致家族が北朝鮮から帰って来た所を見る。 辛うじて阪神タイガースの情報は携帯でゲットしていたが、世の中の事は全く解らなかったのでびっくりした。

古座〜すさみ 約75km

朝 茹でキャベツ、おにぎり
昼 マカロニカレー、キャベツ、マヨネーズ、にんにく
夜 地魚のお造り

就寝 9時頃

橋杭岩。弘法大師が掛けた橋の橋脚であるとの伝説がある。

 

5/23(日) 曇り

またもややってしまった・・・。テントにしまったと思っていた食料を、公園の東屋に置き忘れていてまたもやカラスにやられてしまった・・・。 食料の大半を放棄、たまたまおにぎりだけテントにしまってあったので、おにぎりと、近所のコンビニから、焼き鳥の缶詰め、コッペパンをかって来て朝食。 しかも撤収時にテントのポールが折れている事に気付く。今回の旅はパンク系の自転車トラブルは全く無いのに何故かテントトラブルが多い。応急処置用のパイプを持って来ているので今回の旅中ぐらいは問題ないが・・・。
午前中に白浜まで漕ぐ。白浜は観光ナイズされ、以前訪れた時の美しい白良浜の風景は見るかげもなく、日曜日だという事もあるのだろうが、あっぱらぱーの若者で溢れかえり、下手したら原宿のような風景だ。 砂浜にはえせ芸術家が作ったのであろう砂のオブジェまであった。
熊野からここに至る道は、色々な鳥の鳴き声と、潮騒の音のアンサンブル、自然の造り出した風景、でとても気持ち良い旅を続けて来たのだが、観光ナイズされた白浜ではそういった自然の音や風景は楽しむ事は出来ない。 まあそれが白浜の選んだ道なのだろう。僕はもう白浜には興味がない。
三段壁と千畳敷を訪れる。三段壁では熊野水軍の船隠し場であったという洞窟を見学。波が壁面にぶち当たる様は凄い迫力だったが、ちょっと入場料1200円は高すぎるように思った。
昼飯は白浜を通り過ぎたあたりにある「とれとれ市場」の食堂でとる。 お造りをたらふく食べる。 実家に鯵と甘鯛と金目鯛の干物を送る。
御坊を目指して走るが、野宿場所を発見出来ず、結局日高町の産湯(うぶゆ)海水浴場まで漕ぐ。

すさみ〜日高町産湯 約100km

朝 おにぎり、焼き鳥缶詰め、コッペパン
昼 お造り
夜 バーミヤンで中華

就寝 11時頃

三段壁。熊野水軍がこの穴から出入りしていたのだな!!そういうのに僕は弱い。

 

5/24(月) 晴れ 7:00起床。

旅は今日で終わりの予定なので、少し少ないが余った米をすべて炊いて作ったおにぎり2個のみを食べて出発。
国道をまっすぐ行くのもなんなので、少し回り道をして白崎海岸を回っていく事に。 このルート洗濯が正解で、上り下りはきつかったけど白崎海岸の美しかった事!! 紀伊半島中No.1の海岸でした。
しかしこのような美しい海岸はあまり知られていなく、観光客は1人もいませんでした。
しかし、そのような美しい海岸線ですが、釣り客が捨てていったゴミがあります。 一体、どのような感覚の人間が、あんなに美しい海岸にゴミを捨てるのだろう。その感覚が理解出来ない。
白崎を抜けると醤油の町湯浅です。 僕自身湯浅醤油が大好きで、家でもずっと使っています。湯浅を訪れるのはこの旅の目的の一つでした。
角長という、今となっては湯浅にたった一つしか無くなった作り醤油蔵を訪れたのですが、そこの女将の醤油にかける情熱には恐れ入りました。 僕の使っている醤油は湯浅醤油の偽物、というか、湯浅で作られていないものである事が判明・・・。ショックを受けた。しかしそれでも十分に美味しいが。 醤油を積んで走るのは重いので、もろ味噌のみを購入して出発。
海南市と和歌山市の境目にある県立自然博物館の公園にて最後の野宿をする。

日高町産湯〜海南市 約60km

朝 おにぎり
昼 マカロニナポリタン、キャベツ
夜 牛焼肉、結局新たに購入した米を炊く。

就寝 10時頃

白崎海岸。この付近にオートキャンプ場がある。いつか夏に来て海水浴を楽しみながらキャンプしたいな。

 

5/25(火) 晴れ 7:30起床。

和歌山駅までの10キロの道程を漕いで旅終了!!ではない。 大阪駅から実家までの10キロの道程もある。 99をもって道程の半ばと思え、という言葉がある。 最後まで気を抜いてはいけない。
昔までは和歌山からの電車は天王寺止りだったのだが、今では紀州路快速というのがあり大阪駅までいっているのだ。 まあいわば埼京線が大崎までいっているようなものだ。
にしても和歌山駅の駅員の態度が悪かった。 輪行袋を担いで改札は通れないので、駅員のいるいわゆる裏が白の切符が通る所を通るのだが、車椅子が通る時にはたたんで通路を広くできるのだが普段は冊になっている部分があり、僕が担いで通っていても知らん顔でたたんでくれようともせず、いつも一旦駅の中に自転車をおいてから切符を見せに改札の所に戻るのを常としているんだが、切符を見せずに通ろうとしたら「お客さんちょっと!!」と声を掛けられたところでブチ切れ!! 常識で考えてこんな重い荷物抱えてただ乗りするやつもおらんだろうし状況を見たら解ろうものなのに・・・。
ともかく1時過ぎに懐かしい大阪に到着。そういえば我がマウンテンバイクで大阪の町を走るのは上京後初なのだな。
2時頃実家到着。 到着と同時にありとあらゆる洗濯物を洗濯機にぶち込んだ。洗濯機の中の水があっという間に泥水のような色に染まる。旅中は手洗いで洗濯するが、全く綺麗にはなってないのだな・・・。

 

 

追伸

5/26(水) 午前中、箕面の滝を見物(車にて)。
午後から甲子園に向かう。対横浜戦。佐々木だけは見たくないと思いつつ、見てしまった・・・。
我が観戦4連敗中・・・。

箕面の滝。近くにあると珍しくもなんともないが、かなり立派な滝ですよ。

総走行距離 650km

 

次の旅は、岐阜から白川郷を経て富山に抜け、新潟を目指す、という旅をしたいな。

 





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