東京〜いわき〜仙台自転車の旅

 

10/13(月)から17(木)の5日間、以前から旅したかった憧れの東北を仙台まで自転車で旅をしました。
当初、輪行(自転車をパッキングして、電車等の交通手段を使って自転車を運ぶ事。パックする袋の事を輪行バックという。)をする予定ではなかったので、往路復路共自転車を漕ぐ事を前提でプランを立てたのですが、そうすると福島県のいわきが限界になるのです。
勿論その距離は人によって違いますが、一応一般的なサイクリストは1日100キロを漕ぐ事を前提にプランを立てます。
その距離がちょうどゆったりとした旅の速度だといわれています。
東京〜いわき間は丁度往復400キロなのです。
5日間の休暇を利用するとなると、なんらかのトラブルがある事も想定すると、大体そのようなプランになりますね。
しかし、ついついもっと距離を走りたくなってくるのがサイクリストというものです。
水戸あたりからず〜〜〜〜〜っと標識に表れていた「仙台」の文字が気になって・・・(笑)。
万が一の緊急非難の為に持っていた輪行袋もあった事だし、ついつい仙台までいっちゃいました。
その辺の自由さも、自転車の一人旅の魅力の一つなのです。

 

僕の愛車

出発の前の日にはパッキングを終え、全ての荷物も自転車に積み終えていたので、起きたと同時に出発しました。
しかし出発時刻は午後二時・・・。
これだから夜勤労働者は・・・。
ニ時に出発するという事は、東京を脱出するあいだに確実に日が暮れます。
東京都内でテントを張って寝るのは物理的に不可能に近く、又、仮に張れたとしても面白そうではないですよね。
で、初日は夜にまたがって漕ぐ事を覚悟して、何とか茨城県の牛久あたりを目指そうと思いました。
大泉学園の自宅を出発して、しばらく笹目通りを北に上がると、荒川にぶつかります。
荒川沿いにず〜〜〜〜〜っと東京湾までサイクリング出来る道があるのを皆様御存じでしたか??
とても素晴らしいですよ。
まるで自転車にとっての東京外環道ですよ(笑)。
東京を東や北に離れる道は全て、荒川をまたいでますものね。
その道をだらだらと6号水戸街道を目指し走っておりましたら、出発から20キロ地点でいきなりパンク!!。
そういえば、今回の旅から、自分のマウンテンバイクのタイヤを、でこぼこのあるマウンテン特有のタイヤから、でこぼこの無いつるっとしたスリックタイヤに交換しました。
その方が圧倒的に速度が出るのです。
ただし、パンクの危険性は上がりますが。
大阪〜東京の旅の間は一度もパンクしなかったのに・・・、と思いつつもチューブを交換しました。
あ、旅の時に限らず、ちょっとしたサイクリングに出かける時は、換えのチューブを持っていった方がパンク修理するより早くて楽なので、いいと思います。
パンク修理は、暇な時にでもやれば良いし、夜、暗い時にでもパンクしたら、パンク箇所を探すだけで結構大変ですしね。
気を取り直してせっせと漕ぎました。
それにしても秋晴れの良い天気が、ついに旅の終まで続いた事に感謝!!
荒川沿いから水戸街道に入った時にはすでに夕方で、利根川を越える頃にはすでに日はとっぷりと暮れてました。
牛久到着は21時頃で、牛久沼に流れている川の土手にテントを設営、距離にしておよそ70キロを漕いで終了。

相馬の海岸にて。大体こういうところにテントを張る。

2日目は9時頃出発しました。
普段のミュージシャン生活からは考えられない程の早起き!!
しかしサイクリング中では当たり前の早さなのです。というか、むしろ遅過ぎるのです。
普通は7時ぐらいには出発したいところです。でないと、100キロ走るプランを立てたら、日が暮れてまで走らなくてはいけないはめになるのです。
夜走るのは想像以上に危険な事ですし、楽しくない事なのです。
どの道も、東京の道のようにライトに照らされて明るい訳ではないのですよ。
風景も楽しめませんしね。
それに、暗くなると、テントの設営場所を探すのが一苦労なのです。
事実、今回の旅では、明るいうちに場所を見つける事が一度も出来ませんでした・・・。
この日もあまりにも良い天気だったので、本当に機嫌良く6号を漕いでいたら、気付くとバイパスに入っていました・・・。
皆さんは、自転車に乗っていて、出来れば走りたくない道はどこだと思いますか?
峠道が嫌だ、坂道がいやだと思う方が多いと思います。
ところが、峠はむしろ楽しく(脚力に応じたプランでの峠越えであればの話ですが・・・。)絶対に嫌なのはバイパスとトンネルです。
特にトンネルは嫌ですね。
音はうるさい、うるさいだけでなく、トラックのクラクション等は恐怖心すら感じます。
又、風圧もとんでもなく、トラックがそばを通ると漕いでられないだけでなく、立っていられないぐらいの風圧があります。
トンネルでトラックとすれ違う時には、トンネルの壁にもたれ掛かってやり過ごします。
交通量の多いトンネルを抜けなくてはいけない事になったら、何としても迂回路を探したいところです。
前日は風呂に入れなかったので、見つけたヘルスセンターのようなところに飛び込みました。
旅において、都合のいいタイミングで風呂に入れる事は、まずめったにありません。
その日の行程を終えたところで銭湯を発見!!、テントを設営し、風呂場へ向かう、なんて経験した事は今まで一度もありません。
入れる時に入っておかないと、いつまでたっても入れません。
下手すると公園の水場で頭洗う事になります、ていうか実際にそういう事は日常茶飯事ですね。
自転車の旅をしている事を人にいうと「凄い体力ですね〜〜」と感心されたりしますが、自転車の旅には、世界一週を目指すとかでない限り、体力は必要ありません。
事実、僕の体力は人並み以下ですよ絶対に。
では何が必要か・・・。
野宿出来る根性と、風呂に入らずにいれる図太さがあれば誰でも出来ます。
勿論、野宿したくなかったらホテルに泊まればいいし、そうすれば風呂にも入れますが、それでは旅は面白いものにならないのですよね・・・。
そんなに恐い思いや臭い思いをしてまで旅をしたいか?と普通の人なら思うでしょうけどね(笑)。
この日は日立までおよそ100キロを走り、かみね公園という公園の駐車場にテントを設営した。
何と、駐車場の隣はお墓!!良い雰囲気で夜を過ごしましたよ(笑)。

いわき〜相馬間の道。それにしても天気いいな〜っ。

次の日は朝4:30に目が覚め、まだ暗かったので、コーヒーを湧かしながらテントから半身を出して夜空を眺めていたら、何と!!人工衛星がビュ〜〜〜ッと通り過ぎて行きました・・・。
6時にはテントを撤収して出発したのだが、この日はいわきに到着予定日で、いわきまではたったの55キロぐらいしかなく、下手をすると午前中にいわきに着いてしまうのです。
この日の晩は、いわきの友人達と食事に行く事が決まっていたので、途中高萩の海岸でマットを広げて昼寝をしたり、いわき湯本の温泉、「ゆったり館」でゆったりしたりして時間を潰しながら行きました。
そして、到着して友人のゆきえちゃん、みかちゃん、るみちゃん、ちえみちゃんら4人に連れられて行った先の料理が絶品でした!!。
玄米を使ったオーガニック料理のお店で、4人入ればいっぱいの小さいお店だったのですが、何というか、素材にこだわった料理で、高橋さんという女性が料理を作ってらっしゃるのですが、砂糖やみりんは一切使わず、それでどうやったらこんなに美味しく作れるの??てなぐらい美味しかったです。
何というか厳選された素材の力を感じました。
肉や魚は一切メニューにないのですけど、とてもとても力強い料理に感動しました。
12月に仕事でいわきに訪れるので、その時にも是非行こうと思いました。
この日は食事に行く事も決まっていたので、野宿せず、安宿をとってそこに泊まりました。

高萩の海岸で。テトラポットに打ち付ける波の音はまるで和太鼓のようでした。

次の日はお陰で大寝坊をしてしまいまして、起きたら9時15分でした。
仙台まではいわきから150キロあります。
という事は、今日中に100ぐらい走っておかないと、次の日仙台到着後、輪行をして大宮から自宅を目指す、というプランが非常にしんどいものになってしまいます。
大慌てで荷造りをして自転車に積み込みをしていると、何と!昨日のオーガニックのお店の高橋さんから連絡があり、おにぎりを差し入れして下さるとのこと!!。
大喜びで頂いて出発しました。
この日の午前中は、頂いたおにぎりパワーで快調にとばしたのですが、午後になって猛烈な向い風にやられて大変な思いをしました。
しかしながら、いわき〜相馬間は本当に綺麗な風景が続き、本当に楽しい一日でした。
この日はおよそ100キロの距離を漕ぎ、相馬の海岸ぞいの公園にテントを張って野宿しました。


相馬の海岸の公園

さて次の日にはもう仙台到着する予定でありましたので、テント、寝袋等の荷物は必要無いので、宅急便で自宅に送り、軽装になってがんがん漕いで仙台に向かいました。
しかし、不思議なもので、積み荷を積んだ重い自転車を漕ぐからゆえに、旅というのは旅なのだな、という事を感じました。
全然知らない土地を走っているのだから旅情緒はあるかと思い気や、積み荷が無いとそれはとたんにサイクリングになってしまうのです。
いずれにせよ輪行しなくてはいけないので、仙台からは宅急便で積み荷は送らなくてはいけない(という事もないが、流石にテントと寝袋と自転車バッグをもって、輪行袋を担ぐ体力は持ち合わせてはいません・・・)にせよ、やはり目的地までは積み荷を積んで走るべきだ、と感じました。
それが、やはり旅する者の使命なのです。
午後2時頃仙台到着!!
しかしながら到着近くになって来ると今度は盛岡の文字が・・・。
又目指したくなってしまいしたが、さすがに今回は諦めました(笑)。

宮城県と福島県の境界線。

この五日間は僕にとってとても有意義なものでした。
心身共にリフレッシュする事が出来ましたし、また、その経験は絶対に音楽家としての中村真にフィードバックされるものなのです。
事実、以前東京までの旅を終えた後、確実に自分の音楽が変化していましたし・・・。
僕にとっては、ある意味ピアノの練習以上に大事な行為だったりするのです。
帰りの新幹線出、仙台から大宮駅までたったの一時間半足らずでした。
その距離を5日間かけて旅し、その時間感覚を感じるだけでも意味があります。
どちらが本来の人間の姿かという事を考えたりして・・・。
人間が、そんなに高速移動出来るようになってまだ100年は立っていないのですから。
本来なら自転車だって反則なのです。
ただ、ツールはあくまでツールにでしかないのです。
そのことを理解していれば、それを正しく使う事ができるという事です。
そういう事を自転車の旅は教えてくれたりもします。
なんせ楽しかった〜〜〜っっ。
次は仙台まで輪行して、憧れの東北を一周してしまおうかと思ってます。
三陸海岸がとても素晴らしいそうなので。
これからの季節は、雪で北はダメなので、春先にでもプランしよっと。




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